さて、吸音素材の評価をしてみます。
評価ように、5cmπの紙管を用意しました。
この紙菅に、吸音素材を目一杯かっ詰めて、出口の音を測定します。
同じ条件で測定すれば、それぞれの素材の特徴が、見えてくると思われます。
なお、今回の測定で得られるデーターは、相対値であって、絶対値ではありません。
吸音効果の、バランスは読み取れれると思われます。
それでは、はじめてみましょうか?
まずは、何も入れない状態(吸音材なし)での測定です。
測定用マイクは、パイプの出口の近接測定で測っています。
音源は、ピンクノイズです。
吸音材なし
なるほど、共鳴管!!
という感じの特性でしょうか?
ここでは、相対的に素材の違いを見ているので、共振周波数とかは、意味をなしていません。
あくまでも、相対的なモデルとして、捉えていきます。
続きまして、メラミンスポンジを入るだけかっ詰めてみます。
スポンジが潰れない程度でね^^;w
こんな感じですかね?
まだ、共鳴管のピークは残ってますね。
重ねてみましょう。
黒が、空っぽ、赤がメラミンスポンジです。
メラミンスポンジを入れると、全体的なバランスは低域側に移動して行きます。
共鳴管の共振周波数も、低域側に大きく移動しているように見えますかね?
その分、高域のボリュームも減衰して行きますが、ハイカットフィルターとしては、思ったほど働いていない感じかな、、、。
実際の聴感では、メラミンの音が最も制御されていて、逆に言うと、躍動感のない音に聞こえました。
密集度の問題だったかもしれません。
キューブの大きさが、もう少し小さければ、違うチューニングもできたのか??
それか?
もう少し、太い紙管で試してみたら、印象も変わるかもしれません。
続いては、コットンです。
グラスウールの方が、音質的には、有利な気はしますけど?
痒くなるので、コットンの方が優しいです^^;w
コットン
目一杯かっ詰めてあります。
と言っても、コットンのふんわりとした感じは潰さないように、配慮してありますよ^^;
コットンをふんだんに使えば、共鳴管のピークは、完全に取り払うことができるようですね。
吸音材としては、ナチュラルで調整もニュートラルな感じで、扱いやすいと思いました。
タイムドメインを微調整して行くなら、こういう素材がベストなんだと思いますね。
こちらも重ねてみましょう。
黒が空っぽ、赤がコットンです。
共鳴管の癖は、ほぼ吸収していますね。
ポップストーン
現在チューニングに使用している、吸音素材は、この3つです。
メラミンとコットンは、柔らかい素材なのに対して、ポップストーンは、ガラスでできているので、伸びたり縮んだりしません。
9割以上は、空気と思われるような、軽い素材です。
ナノ単位の多孔質で、触媒効果が期待できると思います。
ポップストーン
これが、ポップストーンの吸音効果ですね。
もう少し、中高域をはね返しているのかと思いましたが、立派に吸収してますね^^;
ちょっと、びっくり!w
重ねてみますか?
黒が空っぽ、赤がポップストーンですね。
入れれば入れるほど良くなる、ポップストーン!
そんな特性に見えてきますな^^;w
聴感では、確かに触媒効果を感じるというか、一番音が速く聞こえました。
音の速さというものは、決まっていて、本来速くなるなどということは、ありえないんですけどね??
吸音の際に、コットンやメラミンは、柔らかく弾き返すのに対して、ポップストーンは、変形しないので、高速に弾き返す感じなのかな???
全部重ねてみる。
赤:からっぽ 黒:コットン 青:メラミンスポンジ 緑:ポップストーン
比較してみると、低域に対しての特性は、コットン、メラミン、ポップストーンどれも有効というか、ほぼ同じように働いていると思われます。
ハイカットフィルター的には、ポップストーンが、一番効いている感じでしょうか?
ただし、目一杯かっ詰めた状態ですから、密度が落ちれば、効果も変わってきます。
入れすぎて、中域あたりの逆相成分が多く出てきたと思い、量を減らしましたが?
もしかしたら、まだ入れたりなかったのか????w
増やしてみるか???w
最後、コットンとポップストーンとの比較。
黒:コットン 赤:ポップストーン
相対的な比較では、やはりポップストーンの方がかなり優位に見えますね!
ただ、2kHzあたりのピークが気になりますかね?
もちろん、相対的な、比較なので、2kHzと断定することはできません。
管の太さや、長さを変えても、同じように2kHzにピークが現れるようであれば、ポップストーン固有のピークなのかも?
なんか、そんな音が耳につく感じがするんだよね、、、、。
原因は??
粒が揃ってるからか???
まあ、今後の課題だね^^;