さて、試作した二つのダクトを比較してみますか?
チューニングポイントがずれていますので、ちょっと微妙か?
先ずは、トリプルダクトの方から、、、、。

シミュレーションはこんな感じ、、、、。
容積からすると、どうしても100Hzあたりで、多少フラットから落ち込む感じです。
8Lくらいあれば、50Hzまで、フラットに伸びてくるんですけど、、、、、。
実容積3.7Lでは、限界ですかね、、、、、、。

実測値はこんな感じです。
シミュレーションと比較してみると、左側の山が10Hzほど、右に移動しています。
どうも、このスリットは、共振点がシミュレーションより高くなる傾向があるようですねえ、、、。
実際には、シミュレーションは径30mmのダクトで算出していますが、トリプルダクトの合計は5mm×90mmです。
断面積的には、約750と450、少し開口面積が足りない?
しかしながら、この箱では、これが物理的に限界です。
これ以上の開口面積を確保するためには、もっと大きな径の断面にダクトをマウントする必要があります。
この辺りも、設計上の重要なポイントと言えますね。

黒が軸上30cmで測定したもの、緑がインピーダンス特性、赤がユニットの近接測定、青がダクトからの近接測定です。
シミュレーションと比較すると、赤のカーブがやはり右に10Hzずれていますね。
青のピークが100Hzより上になっているのも、気になりますねえ、、、、。
次に、ツインダクトと比較してみます。

共振点が100Hzくらいになっています。

F特の比較
黒がトリプル、赤がツイン。
微妙、、、、。

インピーダンス特性
こちらも、黒がトリプル、赤がツイン。
共振点の違いははっきり出ていますか?

ユニットの近接測定
こちらも、共振点の違いははっきり出ていますが、トリプルダクトの方が、高域の特性が暴れています。
ダクトの入り口が狭いんで、内面反射が多発してる??
ユニットと、向かい合っている板面には、何か一工夫必要でしょうか?
ちなみに、スーパーソルは1/3に減らしています。
あれが、詰まっていれば、反射の影響は減るか?

ダクトの近接測定
こちらも、共振点の差は、そのまま出ている感じでしょうか?
その差が、総合特性の差になって出てこないのは?
なんでだ??
高域の漏れもトリプルダクトの方が多いですねえ、、、、。
あとは、ダクトの解放部分の細かいところの作り込みもやりたいところですけど、、、、。
粘土パテとかを使えば、簡単にできそうですけど、再調整可能な素材で行きたいですねえ、、、。
何が良いかな??
ツインダクトの方は、風切り音はほとんど感じませんが、トリプルダクトの方は、プラダンほどではないですけど、多少の風切り音がしています。
細部を作り込んでゆけば、もう少し改善されるのか、、、?
ここまで、やってきて、PE-101Aは、LANSINGのユニットと比べると、2WAY的な音作りで、全体的には反応が鈍い感じ、よく言えば、どっしりしていて、高域がセンタードームで、奇麗に鳴ってる感じでしょうか?
ただ、再生できるレンジが広いので、教材としては、色々な事が分かってよいユニットだとは思います。
さすがにALTECの8cmユニットは、前回検証したように、150Hz以下はサブウーハーに任せるような構成になってますので、100Hz以下の音に関しては、ユニットが悪いのか?箱が悪いのか?
判別が付かないような状況もありましたし、プラダンでも、それほど風切り音が出なかったりしました。
まあ、少しずつ、進んで行きましょう、、、、、。
その間に、山ほど溜まった、ジャンク箱の処分も考えながらねぇ、、、^^;
風切音のほうは、縁に粘土を盛ると、たぶん消えると思います。
エアファンネルのような感じです。
http://www.e-seed.co.jp/products/category_3442/
表側は扇型のスペーサーの外側、内側はドーナツ板の外側に。
ただし、ラッパのようにダクト断面積を徐々に広げてしまうと、ダクト長があいまいになって共振しにくくなります。斜めにカットしたダクトも同じことです。
共振範囲は広がりますが共振強さは弱まります。