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Eric Dolphy Far Cry with Booker Little

エリックドルフィー入門用に最適なアルバムだと思います。

ブッカーリトルという、ドルフィーにとって最強のパートナーと出会うことができた、彼の生涯において最高に音楽を楽しめたアルバムと言って良いでしょう。


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Eric Dolphy - Far Cry (New Jazz NJLP 8270)
Booker Little (trumpet -1,2,4,5) Eric Dolphy (alto sax, bass clarinet, flute -1/6, alto sax -7) Jaki Byard (piano -1/6) Ron Carter (bass -1/6) Roy Haynes (drums -1/6)
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, December 21, 1960

1. 2772 Ode To Charlie Parker
2. 2773 Mrs. Parker Of K.C. (aka Bird's Mother)
3. 2774 It's Magic
4. 2776 Miss Ann
5. 2777 Far Cry
6. 2778 Left Alone
7. 2779 Tenderly

also issued on Prestige PR 7747 entitled "Far Cry!". Original Jazz Classics OJC-400, OJCCD-400-2.
part of Prestige P-24053.


メンバーは

ブッカー リトル:トランペット
エリック ドルフィー:アルトサックス、バスクラリネット、フルート
ジャッキー バイヤード:ピアノ
ロン カーター:ベース
ロイ ヘインズ:ドラムス

という、最高の顔ぶれが揃っています。

録音はもちろんバン ゲルダー スタジオです!

さすがはバンゲルダー!と言いたいところですが?w

どういうわけか、一連のドルフィーの録音はベースが弱いというか?ペラペラした感じは否めませんかね?

機材の調子が悪かったのかな?

とは言っても、その辺はバンゲルダーなので、聞くに堪えないというような音ではもちろんありません!

超高音質とは行かないまでも、ベースがちょっと弱い以外は、かなり高音質な録音が楽しめます^^;

それでは、聴いて行きましょう。



ERIC DOLPHY, Mrs. Parker Of K.C. (Bird's Mother)

チャーリーパーカーの母親??

この曲ではドルフィーはバスクラを手にしています。

リトルとの掛け合いも素晴らしく、これがドルフィーとリトルの初顔合わせとは思われない、ぴったりと息があっているように聞こえますね!

最初にリトルがTPのソロをとりますが、これが「お前天才か!!??」と言いたくなるほど、軽やかで、自由な演奏なんですね!

この人はすごい!

ハバードのソロほど攻撃的ではなく、力みが全くない、、、、。

融通無碍という境地でしょうか?

リトルこそ、ドルフィーと一緒に演奏するためにこの世に送り込まれたミュージシャンだと確信が持てますね!

バイヤードのピアノは、もう職人技というか?

なんでもござれの境地です^^;w

それから、ドルフィーのバスクラのソロに移りますが、ここではなにか流すような力みのないソロに聞こえます。

恐らくリトルの才能に聞き惚れてしまったんでしょう?w

それから、カーターのベース、ヘインズのドラムとメンバー紹介のように一通りソロのリレーが続きます。

いやいや^^;w

これは素晴らしい!

なんとも、ハッピーな友好的な空気がメンバーの間に漂っていますね。




ERIC DOLPHY, Ode To Charlie Parker

チャーリーパーカーに捧ぐ?

この曲も、ドルフィーが生涯にわたってなんども演奏した曲です。

パーカーに捧ぐなのに?手にしているのはフルートですな^^;w

しかし、リトルとドルフィーの掛け合い、、、。

見事としか言いようがない、テーマを途中でリレーしながら、お互いに合いの手を入れていくんですが、絶妙ですね!

実にゆったりとしたテンポで、、、、、。

ドルフィーのフルートは、超絶技巧で目にも止まらぬ指使いを見せるんですけど、リトルのトランペットはどこまでも優しい、、、。

この対比がまた面白いですね。

これほどまでに、ゆったりとした優しさに満ち溢れたトランペッターはなかなかいないんじゃないでしょうか?

ソロに移ると、実にのびのびとした演奏を聴かせてくれます。

何か、慈悲に満ち溢れているような音調ですね。

それに感化されるように、バイヤードも心なしか丁寧に鍵盤を叩いているように感じられるソロを繰り広げます。

この日のメンバーはどうもリトルの才能に感化されているように聴こえますね^^;w

これまでのドルフィーの、孤独に打ち震えるような心情に対して、ブッカー リトルは一言!

「なんくるないさ!」

そう言っているように聴こえました^^;w





ERIC DOLPHY, Far Cry (a.k.a. Out There)

タイトル曲のFar Cryです。

ドルフィーはアルトに持ち替えています。

いかにもドルフィーらしい楽曲ですね。

リトルのソロは、ちょっとハバードを思い起こさせるような演奏でしょうか?

同じ時代に生きていたものとして、やはり影響はあったのかもしれませんね。

続いてドルフィーのソロ、バイヤードのソロと続きます。

短めの楽曲ですが、ハードバップが凝縮したような曲に聞こえました。




ERIC DOLPHY, Miss Ann

ドルフィーおなじみの人物名をタイトルにした曲です。

この曲も生涯にわたって繰り返しライブで演奏されました。

この日が初演だったのかな??

ここでもドルフィーはアルトを手にしています。

リトルのソロは、ここではフレディーハバートに感化されたような演奏ですかね?

バイヤードのソロもスピード感のあるいつものソロに戻りました。

なにか若造を特訓してやろうじゃないの!

みたいな??

ちょっと意地悪??w

このセッションで、ブッカーリトルは一回り、二回り成長したんじゃないかな??w




ERIC DOLPHY, Left Alone

マル ウォルドロンが、ビリーホリデーのために書き上げた楽曲でしたが、ホリデーは一度もこの歌を歌うことなくこの世を去ってしまいました。

なんで?ピアノがバイヤードなのに??ウォルドロンの楽曲を選んだのか?

まあ、ドルフィーのフルートの音色を聴いていくと、そんな疑問はどうでもよくなります^^;w

ここではロン カーターがベースのソロをとります。

ブッカー リトルは登場しません。

Far Cryはドルフィーのリードアルバムですが、このアルバムは三部作だと言われています。

残りの二枚は、ロンカーターのリードアルバムのWHERE、マルウォルドロンのリードアルバムQUESTです。

まさに三部作らしく、同じような装丁のジャケットになっております。

この辺りは、またいずれご紹介できると思います。

じゃあ?

なんで??

この日のピアノがマルウォルドロンじゃないのか??

また、同じ疑問が湧いてきましたね^^;w




ERIC DOLPHY, Tenderly

ドリフィーのアルトの無伴奏ソロです。

ドルフィーは、バスクラでは「God Bless' The Child」フルートでは「Inner Flight #1 #2」といった名演がありますが、これが無伴奏ソロの最初の収録だったのではないでしょうか?

無伴奏でここまでの表現力!

エリックドルフィー!

鬼すご!!w




ERIC DOLPHY, It's Magic

ここではドルフィーはバスクラを手にしています。

なんですか?

このあふれ返るばかりの優しさは??

これほどハッピーなオーラに包まれたドルフィーの演奏は他に類を見ないのではないか??

そのくらい、充実感にあふれ満ちた演奏です。

リトルとの初共演!

それが、ドルフィーにとってどれほど喜びに満ちたものであったのか?

この演奏からも「あたしゃ、うれしいよぉ」という、ドルフィーの声が聞こえてくるようです^^;w

ここにきて一つの疑問が!?

最後の曲にリトルが参加していません!!

をいをい!

ブッカーリトルどこに行った??

アナログ盤は、これにて終了です^^;

ありえんやろ??

最後は5人で締めくくらないと、終われないんじゃね?????w

これは、20世紀中の長年の疑問でした^^;w




ERIC DOLPHY, Serene

その疑問は、CDがレコードに取って代わって、このアルバムが再発になった時に初めて明らかになりました!!w

実は録ってあったエピローグ曲!!w

それが Sereneです^^;

恐らくLPレコードの収録時間の関係で外されてしまったのでしょう。

CDになってから、収録時間が多少長くなったので入れておくか??

みたいな感じ??w

それにしてもフィナーレを外すとは??

ありえませんね^^;w

実は、このアルバムFar Cryは収録されてから、発売までに随分時間がかかっています。

ドルフィーの生前に発売された彼のリードアルバムは実質OUTWARD BOUNDOUT THEREのわずかに2枚のみです。

その理由は??

LPに収まらないので、保留ですか??

あまりにも悲しすぎますね、、、、、。



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Eric Dolphy Far Cry