OUTWARD BOUND




Eric Dolphy - Outward Bound (New Jazz NJLP 8236)

Freddie Hubbard (trumpet -1/3,5,6) Eric Dolphy (alto sax, bass clarinet, flute) Jaki Byard (piano) George Tucker (bass) Roy Haynes (drums)

Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, April 1, 1960

1. 2101 G.W.
2. 2102 "245"
3. 2103 On Green Dolphin Street
4. 2104 Glad To Be Unhappy
5. 2105 Les
6. 2106 Miss Toni

副題として「惑星」と名付けられているこのアルバムは、実質ドルフィーの初リーダーアルバムとなる。

「惑星」セッションが録音されたのは、1960年4月1日、かの有名なルビー バン ゲルダー スタジオである。

レコーディングはRudy Van Gelderとジャケットにクレジットされているのが読み取れる。

構成は、フレディ ハバードのトランペット、エリック ドルフィーのアルトサックス、バスクラ、フルート、ジャッキー バイヤードのピアノ、 ジョージ タッカーのベース、ロイ ヘインズのドラムスとなかなかの豪華メンバーである。

豪華ではあるが、ごく一般的なハードバップスタイルのクインテット構成と言って良いだろう。

多くのジャズファンにとって、大変に心地の良いサウンドとして安心して聴ける一枚ではないだろうか?

アルバムのタイトル画はドルフィーの友人リチャード ジェニングによって描かれたものでProphet(予言者)と署名されている。

それでは、聴いて行きましょうか?




ERIC DOLPHY, G.W.

G.Wは、ドルフィーのオリジナル作品で(ジェラルド ウイルソン)のイニシャルなのだということである。


いわゆるハードバップ形式の構成でハバードとドルフィーのWホーンによる軽快なテーマが繰り広げられた後、ドルフィーのソロに移り、バックでバイヤードが軽く合わせるようにピアノを叩いている。

この曲では、ドルフィーはアルトを演奏しているが、実にのびのびとした自由な演奏に聴き取れる。

やがてソロをハバードにバトンタッチ。

いや、この人は若い頃から達者なんだと感心させられますね^^;w

豊かな水の流れのごとく、よどみなく、軽快なソロが続きます。

その後バイヤードのピアノソロ。

この人も達者な人というか、テクニシャンというのか?w

急流のような流れに、軽々と乗って巧みな演奏が繰り広げられます。

その後はベースのソロ、なかなかに力強い!

最後は再びWホーンによるテーマに戻り、終始軽快なリズムの上に演奏は終了します。

オープニングとして、軽快で明るく躍動的、しかも聴きやすい演奏ですね。

G.Wはドルフィーのオリジナルですが、その後ライブ等でも頻繁に演奏された曲です。

ドルフィーとしても、記念碑的な楽曲になったんだと思いますね。





ERIC DOLPHY, Green Dolphin Street

ハバートのトランペットはミュートがつけられてテーマを演奏、ドルフィーはバスクラでしばらく合いの手を打ちますが、やがて、テーマをドルフィーにバトンタッチしてそのままバスクラのソロへと移行して行きます。

ややミディアムテンポな曲で、ゆったりとしたテンポの上に、急加速したりスロットル緩めたりと自由なソロです。

ハバードはミュートをつけたままソロをとって行きますが、ミディアムテンポで叙情的なソロを奏でて行きます。

それから、ソロはベースに移ります。

それからハバードとドルフィーのリレーでテーマが繰り返され、終了という感じです。

これも聴きやすくて、好感の持てる楽曲だと思いますね。




ERIC DOLPHY, Les

この曲もドルフィーのコンポーズによるものです。

この曲もバップ形式でWホーンによるテーマから始まりますが、ドルフィー独特のテーマと言って良いでしょう。

それから、ドルフィーのアルトが火を吹くように熱いソロを奏でて行きます。

ハバードが続いてソロをとりますが、輝きに満ちたようなキラキラした演奏の後に、何か馬のいななきのような?面白いフレーズをとりますね。

それからバイヤードのソロ。

ドルフィーとハバードの掛け合いになります。

この二人は、実にぴったりと息があっています!

この二人でクインテットを組んだ方が成功したんじゃね?w

短いドラムソロの後、再びテーマに戻りますが、ドルフィーもハバードも何か動物の鳴き声のような、奇音を発しながら楽曲は終了します。

ドルフィーとハバートはしばらくの間ルームメイトとして一緒に暮らしたことがあるらしく、息がぴったりなのもうなづけますね。

後に、この二人はOUT TO LUNCHの歴史に残るセッションで再び顔をあわせることになりますね。




ERIC DOLPHY, 2 4 5

これもドルフィーのオリジナル曲ですね。

G.WやLesとは異なり、スローテンポで切ないバラード調のテーマをWホーンのユニゾンで切々と歌いあげる感じですね。

最初にソロをとるのはハバードです。

いやこの人本当に達者な人だわ!w

切ない曲は切々と奏でて行きますねぇ、、、。

脱帽だわ!w

それからバイヤードのピアノソロ。

この人の中にはモダンジャズのあらゆるエッセンスが吸収されてるんじゃないだろうか?

どれだけの奏法を身につけてるんだろ??

テーマに応じて、どのような表現も軽々とこなす人ですね。

それからドルフィーのアルトソロ。

ややゆったり目のおおらかさと、物悲しさが共存するようなソロの中に、突然急加速する場面も、、、、。

再び、ユニゾンでテーマに戻ります。




ERIC DOLPHY, Glad To Be Unhappy

ドルフィーのフルートのソロで静かに始まります、、、、、。

バイヤードも後ろで控えめに合わせて行きます、、、、、。

Glad To Be Unhappy、、、、。

デビュー作にして何か彼の生涯を暗示させるような楽曲ですね、、、、。

そして、それはこの世のものとは思われないほど、美しくて切ない、、、、。

この曲にはハバードは参加していません。

テーマの後、ドルフィーのフルートのソロが繰り広げられます。

鳥のさえずりのような、風の歌声のような、、、、。

Last Dateで奏でたフレーズも、このソロの中から聞こえてきます。

再びテーマに戻り、終始ドルフィーが中心となって締めくくられます。




ERIC DOLPHY, Miss Toni

これもドルフィーのオリジナルですね。

なぜか?

人の名前が多い??

ここでは、ドルフィーはバスクラを吹いています。

しんみりした後で、何か口直しのように、軽快でリズミカルな楽曲で締めくくられます。

最初にソロをとるのはドルフィー、ハバードのソロもここでは軽やかでリズミカルな感じです。

実にハッピーな感じのソロですね。

ハバード、若い頃からおそるべし!w

テーマに合わせて自由自在にソロを奏でてきますね。

バイヤードのピアノソロも、流れるようにエレガント!

どんだけ引き出し持ってんのあんた??w

それからベースとドラムスの掛け合い。

最後にメンバー全体が各々ソロをとり終えると、最後はハッピーなテーマに戻ります。

一枚のアルバムの中に、喜怒哀楽を余すことなく収めて、最後はハッピーエンド!

ハードバップの形式に則りながらも、各々のメンバーが斬新で前衛的な演奏を繰り広げ、まさに伝統と革新が共存しているアルバムだと感じました。(1960年当時の話ですよ!w)

ドルフィーファンならすでに所有していると思いますが、普通にジャズの愛好家であれば、隠れた名盤と言える名演だと思います。

何と言ってもバンゲルダーサウンドが聴ける貴重なアルバムですね!






08


Outward Bound: Rudy Van Gelder Remasters CD